初心者向けに腕を太くする“上腕トレーニング”を解説

太くて格好良い腕を作ろう

筋トレ初心者から「胸を鍛えたい」「腕の筋肉を太くしたい」というお話しが多いです。腕は、最も有名だと思われる筋トレ種目・アームカールの存在から、初心者が真っ先に鍛える部位なのでしょう。私も筋トレ開始直後にやったのが、ダンベル・アームカールでした。夏季になり、薄着になると露出が増えるのが腕です。格好良い筋肉質な腕なら、半袖シャツを着るのも楽しくなりますね!

今回、ダンベルだけでやれる筋トレ種目“ダンベル・アームカール”(別名:バイセップカール)を解説していきます。アームカールは、ジムに通わなくても数千円のダンベルさえ購入すればできます。後半に紹介する“逆手懸垂”も、公園の鉄棒でやれます。上腕三頭筋の“ダンベル・プルオーバーは、ダンベルに加え長椅子があればやれる種目です。初心者が気軽に始められる腕のウエイトトレーニングとして、何れもお勧めですよ。正しい方法、適切な重量を守って安全にトレーニングをしましょう。誰でも知っているアームカールですが、正しい方法で続ければ、きっと格好良い腕を手に入れられるはず!


(“上腕を鍛える〜アームカール、逆手懸垂、スカルクラッシャー〜”解説映像)

@上腕二頭筋(力こぶ)には、ダンベル・アームカール

冒頭でお話をした“ダンベル・アームカール”は、上腕二頭筋を大きくする筋トレ種目です。初めに、この筋トレ種目から解説をします。因みに、上腕二頭筋はお馴染みの“力こぶ”ですよ。一般的に「筋肉」と聞くと、まず思い浮かぶのがこの上腕二頭筋だといえるでしょう。筋トレ愛好家からは「違う!」と反論されそうですが(笑)、筋肉の代名詞的な部位かも知れません。

上腕二頭筋を鍛えるダンベル・アームカール

Aダンベル・アームカールを反動を使わずに正しい姿勢で行う

ダンベル・アームカールは、上腕(二頭筋)の筋肉だけで手に握ったダンベルを上げ下げするウエイトトレーニングです。しかしながら、体を反らせて反動でダンベルを上げる筋トレ初心者がとても多いのが現実です・・・。無意識に、勢い(反動)で上げてしまうのでしょう。“反動”を使うと、腕だけでなく足や背中、腰などを使ってしまい腕のトレーニング効果を損ねてしまいます。足や背中、腰を使わずに、鍛えたい“上腕二頭筋”だけでダンベルを上げるように心掛けましょう。

体の軸がぶれないように、直立不動のフォーム(姿勢)でダンベル・アームカールをやります。どうしても腕だけでダンベルをあげられないのなら、使っているダンベルが重すぎるのでしょう。適正重量は、ダンベル・アームカールを反動を使わずに10回くらい上げ下げできる重量です。(甘めに見て)8回目、9回目、10回目に体が少しぶれてしまっても、最低7回は腕だけで上げられる重量を使いましょう。ダンベル・アームカールの目的は、上腕を鍛えることですから、上腕に負荷が集中するように意識することが大事です。

他の筋トレ種目にも言えますが、一番初めに怪我防止の準備運動(アップセット)をしましょう。適正重量が5Kg(10回くらいギリギリやれる重量)の場合、2Kgや3Kgのダンベルを使いダンベル・アームカールを軽く10回くらいやっておくといいです。怪我防止のほか、本番セットの調子もよくなりますよ。

本番セットは、1セット10回を目安に3セットから4セットを繰り返しましょう。セット間には、数分間のインターバル(休憩)を挟みます。初めはキツくても、慣れれば問題なくやれる量です。1セット目や2セット目に使ったダンベルは、3セット目以降などに疲労で10回やれなくなるでしょう。キツくなってきたら、ダンベル重量を軽くします。例えば「アップセット2Kg、1〜2セット目5Kg、3〜4セット目3Kg」のような感じでトレーニングを進めます。このくらいの量をこなせば、上腕が終了後にパンパンになって効果を実感できるはずです。

ダンベル・アームカールを反動を使わずに直立不動でやる

Bダンベル・アームカール終盤は、反対の手で補助する

「反動を使わずに、上腕だけで上げ下げすることが大事」なダンベル・アームカールです。しかしながら、楽に上げ下げできるダンベル重量では、効果的なトレーニングになりません。ギリギリ10回やれる重量のダンベルを使いますが、そうすると8回目、9回目、10回目が疲弊して反動を使ってしまいがちです・・・。

そんな時にお勧めするのが、反対の手で補助すること。8回目、9回目、10回目が疲弊していても、ほんの少し手助けすれば、綺麗なフォームでダンベル・アームカールを続けられます。“ほんの少しの手助け”が重要で、最小限度の補助にとどめて最後まできっちりとトレーニングしましょう。10回終わる頃には、上腕二頭筋がパンパンになっていて、トレーニング効果を実感できるはず!この補助を筋トレ愛好家は「追い込む」といいますよ。追い込みは、筋トレ効果を高めてくれます。

疲れたら反対の手で補助する

Cダンベル・プリーチャーカールがお勧め

ダンベル・アームカールの発展版で傾斜を使った“プリーチャーカール”という種目があります。下記画像を参考にして頂くと分かると思いますが、直立して行うダンベル・アームカールと、肘が固定される点で違いがあります。肘が傾斜で固定されるから、体がぶれにくく反動も使いにくい利点がありますよ。もしインクラインベンチ(画像の台)のような器具があれば、試すと良いでしょう。因みに、私はこの種目が好きです(笑)。

反動を使わなくなることから、上腕二頭筋の負荷が高くなる種目です。腕を太くするには良い筋トレ種目ですが、それがアダになって怪我のリスクもあります。プリーチャーカールを行う際は、腕を伸ばし切らずに手前で切り返して上げましょう。伸ばし切ったところから切り返すと、過大な負荷が加わり怪我のリスクを高めてしまいます。そして、アームカール同様に疲弊したら反対の手で補助をして追い込むといいです。アームカールをやるか、傾斜を利用するプリーチャーカールをやるかは、人それぞれの“好み”の問題ですね。効果を実感できる方を採用するといいでしょう。

ダンベル・アームカールの代わりに採用する場合、(アームカールと同様に)1セット10回やれる重量で3セットか4セットを目安に行います。疲労したら、途中のセット重量を落として10回やりましょう。

プリーチャーカールは上腕二頭筋に適した筋トレ

D腕を太くするには、上腕三頭筋のトレーニングも必要

上腕二頭筋(力こぶ)の筋トレ種目ダンベル・アームカールを解説しました。しかし、本当に腕の筋肉を太く鍛えたいのなら、裏側の上腕三頭筋も鍛える必要があります。上腕三頭筋は、筋トレ初心者には馴染みのない筋肉だと思いますが、EZバーがあれば“スカルクラッシャー”、ベンチ台や長椅子があれば“ダンベルプルオーバー”、鉄棒があれば“逆手懸垂”のような種目で鍛えられますよ。アームカールと比べると少しマニアックな筋トレ種目になりますが、太い腕には必須といえるでしょう。何れか1つの上腕三頭筋の種目をやるようにしましょう。

腕の裏側、上腕三頭筋の筋トレ

E上腕三頭筋の筋トレ種目“スカルクラッシャー”

上腕三頭筋のウエイトトレーニングとして、EZバーを使う“スカルクラッシャー”は優秀です。持ちやすい「W」の形をしたバーベルシャフト(EZバー)の他に、ベンチ台(長椅子のようなものでも可)を使います。下記画像のように、頭の上でバーベルを上げ下ろして上腕三頭筋を鍛える種目です。ビデオ映像を付け加えるので参考にして下さい。先述のトレーニング種目と同じく、1セット10回やれる重量で3セットか4セットを目安に行います。疲労したら、途中のセット重量を落として10回やりましょう。

疲れたら反対の手で補助する

(“上腕三頭筋の筋トレ種目スカルクラッシャー”の映像)

F上腕三頭筋の筋トレ種目
 “ダンベル・プルオーバー”、“フレンチプレス”

上腕三頭筋は、ダンベルとベンチ台(長椅子でも可)を利用する種目“ダンベルプルオーバー”でも鍛えられます。Wバーを利用するスカルクラッシャーと似た動作になります。私は両手に1つずつダンベルを持つ方法が好きですが、両手で1つのダンベルを持ってもいいですよ。ビデオ映像を付け加えるので参考にして下さい。

その他、“ダンベル・フレンチプレス”が上腕三頭筋を鍛える種目になります。ダンベルだけを利用して直立して行う種目ですが、スカルクラッシャーやダンベル・プルオーバーに比べて効果が弱いように思います。ベンチ台を用意できず、どうしてもダンベルだけで鍛えたい場合に採用するといいでしょう。ダンベル・プルオーバーとダンベル・フレンチプレスについても、1セット10回やれる重量で3セットか4セットを目安に行います。疲労したら、途中のセット重量を落として10回やりましょう。

疲れたら反対の手で補助する

(“上腕三頭筋も鍛えられる筋トレ種目ダンベル・プルオーバー”の映像)

G逆手懸垂は、やり方次第で二頭筋も三頭筋も鍛えられる!

腕や背中を鍛えたい方にお勧めなのが、“逆手懸垂”です。手の甲が自分と反対側になるように鉄棒を握る懸垂ですよ(逆手)。しかしながら難点があります。懸垂は、体の軽い方なら数回やれますが、数年来トレーニングをやっていない標準体重以上の方だと、1回やれるかどうかの種目になります。逆手懸垂で上腕二頭筋のトレーニングをする以前に「1回もできない」という事態もあり得るのが悩みどころです。単純に換算はできませんが、両腕で体重を上げ下げするわけですから、体重70Kgの人なら片手に35Kgの負荷です。35Kgのダンベルでアームカールをやるのを想像すると難易度が解るでしょう。実際にはそんなに重くなく、15Kgくらいの気がしますが、それでも準備にある程度のトレーニングを積む必要を感じますよね。

全体重が腕に掛かる“逆手懸垂”をやると、上腕二頭筋にとても良く効きます。体を降ろす時に体重に耐えながらゆっくり降ろすと、上腕三頭筋にも良く効くようになりますよ。冒頭の「上腕筋トレ」動画の後半で説明をしていますので、参考にして下さい。

もし筋力不足で十分に逆手懸垂をやれない場合、実は対策があります(笑)。低い鉄棒で足をついてやる“斜め懸垂”をやりましょう!ぐっと難易度が下がって、楽に懸垂をやれるようになりますよ。今まで解説したウエイトトレーニングは、少なくともダンベルを利用した種目でした。しかしながら、逆手懸垂は公園に鉄棒さえあれば上腕(表も裏も)を鍛えられる“お得な筋トレ種目”です。ぜひ試して下さい。

逆手懸垂についても、3セットか4セットを目安に行いましょう。負荷を軽くする場合には“斜め懸垂”、負荷を増やしたい場合には“加重懸垂”をやるといいでしょう。加重懸垂は、重りを入れたリュックを背負う方法があります。他の筋トレ種目と同じく、1セット10回くらいできる負荷が望ましいでしょう。

上腕二頭筋も三頭筋も鍛えられる逆手懸垂

H上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋トレを週に2回か3回やる

上腕二頭筋(力こぶ)の筋トレと、裏側の上腕三頭筋の筋トレを各1種目ずつ、週に2回か3回やりましょう。ゆっくり降ろす逆手懸垂は、両方を兼ねていますからそれだけで良いです。トレーニングを始めたばかりなら、慣れることが大事です。1ヶ月か2ヶ月間続けたあと、筋力が増したのを実感してから種目を増やすといいでしょう。

肘や肩、手首に痛みを感じたらトレーニングを休み様子をみましょう。筋肉痛なら問題ありませんが、スジや関節の“嫌な痛み”を悪化させると、数ヵ月間も長引くことがあります。早めに休養を取り、治すことが大事です。2週間の休養でも治らないケースには、整形外科などの病院の受診をお勧めします。